アルバラシン株式会社
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富士に降りそそぐ陽光


藤沢の在宅往診クリニックで診させていただいている肺がんの47歳の女性を御看送りしました。

初めてお会いしたのが9月末。比較的中枢の気管支を閉塞するような腫瘍でした。

舌癌、甲状腺癌での治療歴もあり、口から食事をとることができず、胃瘻(胃と腹壁の間に作った瘻孔)から栄養剤や薬を流していました。その時点で、亡くなるまでの時間は1-2月くらいかなと予想しました。

痛みのコントロール目的で医療用モルヒネの投与が始まりました。お薬の調節で精神的にも落ち着くようなり安定した時間が続きました。「先生、生きるって大変なことなんだね」

 

そんなある日、一枚の写真を見せてくれました。
「きれいでしょ。富士のすそ野でみた太陽なの。もう一度みたいな」。神職である御主人は、その地に古から伝わる神社を再興しようと奔走されていました。
「それなら11/23の豊穣祭にあわせて行きませんか。御主人も応援しに。」「そうだね、そうなると最高だね」すごく、うっとりと美しい表情でした。

 

しかし、2週間前から喀痰量が多くなり、胸に水も貯まり呼吸状態が悪化。それに伴い、痛みや不安のコントロールが胃瘻からの薬だけでは難しくなりました。
「もう苦しい、早く死なせて」

呼吸苦を緩和させるために胃瘻からの栄養注入が中止。より一層、痛みや不安が緩和されるように皮下からの持続点滴に切り替わりました。

最期は本当に穏やかでよい表情をしていたね。
一緒にいさせてくれてありがとう。
本当にお疲れ様

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